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遺伝子治療とは

遺伝子治療とは、遺伝子を体内の細胞に届けることで疾患を治療する次世代のモダリティ(治療方法)です。未だ治療法の確立されていない希少・難治性疾患に加えて、癌や神経変性疾患等に対する革新的な治療方法として注目を集めています。

遺伝子治療の開発を進める上で重要となる要素が、遺伝子の運び手(ベクター)です。近年の遺伝子治療の多くは人工ウイルス(ウイルスベクターと呼ばれる)が治療薬として利用され、とりわけアデノ随伴ウイルス(Adeno-associated virus:AAV)ベクターとレンチウイルス(Lentivirus:LV)ベクターを用いた遺伝子治療用製品の開発が盛んに行われています。また、広義の遺伝子治療に含まれるmRNA医薬においては、mRNAを体内で一過性発現させる目的で、脂質ナノ粒子(LNP)等の非ウイルスベクターが広く用いられています。

近年、欧米を中心に遺伝子治療用製品の開発が活発に進められており、重篤な患者の命を救う新たな治療手段としての遺伝子治療用製品の世界市場規模は、今後急拡大することが見込まれています。一方で、遺伝子治療の開発に必要な治験薬の供給量不足や、製造コストの高騰などが大きな課題となっています。

特に日本では、遺伝子治療用製品の製品化研究(Chemistry, Manufacturing and Control:CMC)の基盤が十分に整備されていないため、臨床試験を実施するために必要な品質が担保された治験薬を製造できず、遺伝子治療用製品開発のボトルネックとなっています。当社では、遺伝子治療用製品の種(シーズ)を臨床試験へと迅速に橋渡しするため、各種サービスを提供するとともに、技術開発を進めています。

遺伝子治療バイオファウンドリ®・サービスとは

当社は、独自のDNA合成技術を活用し、遺伝子治療の分野に特化した専門分野特化型バイオファウンドリとして、高品質かつコスト・パフォーマンスの高い遺伝子治療バイオファウンドリ®・サービスの提供を開始しています。具体的には、「配列設計・DNA合成」、「細胞開発」、「プロセス開発(スケールアップ)」、「試験法開発・品質管理」に関して、機能的かつ物理的に統合された自社R&Dセンターにおいて、ワンストップソリューション・サービスを提供します。

シンプロジェンのサービス範囲

当社の遺伝子治療バイオファウンドリ®・サービスの対象となるモダリティは、ウイルスベクター(AAVベクターまたはLVベクター)を用いた遺伝子治療、およびmRNA医薬です。

シンプロジェンが取り組むモダリティ

利用する
モダリティ
アデノ随伴ウイルスベクター
アデノ随伴
ウイルスベクター
レンチウイルスベクター
レンチ
ウイルスベクター
mRNA
mRNA
搭載DNA
サイズ
~4.5 kb ~8 kb
発現期間 長期
(非分裂細胞のみ)
長期 一過性
染色体への
組込
低頻度
代表的な
用途
in vivo治療 ex vivo治療 ワクチン/
癌ワクチン

製薬企業や創薬ベンチャーからこれらの遺伝子治療用製品の開発を受託し、その開発過程におけるCMCに関わる業務を遺伝子治療バイオファウンドリ®である当社が担当します。さらに、GMP準拠の製品製造が可能な国内外の開発パートナー企業と連携することで、一気通貫の開発・製造バリューチェーンを構築しており、顧客が開発を目指す遺伝子治療用製品の早期臨床試験入り、早期の実用化に貢献します。

シンプロジェンのCapability

配列設計

当社独自のDNA合成技術を活用して、遺伝子治療用製品の設計図であるDNA配列の設計・合成を行います。当社では、独自技術であるOGAB®Combinatorial-OGAB(Combi-OGAB®)法を用いて、遺伝子治療用製品の設計や製造に貢献する技術を継続的に研究開発しており、技術ラインナップとして揃えています。これらの当社技術の導出を見据えた、Feasibility Studyにも対応します。

DNA Construction

プロセス開発(スケールアップ)

遺伝子治療に用いるウイルスベクターやmRNAを製造するためには、医薬品原料に適したプラスミドDNAが必要です。当社では、ジャーファーメンターを用いた培養プロセスや、カラム精製プロセス等の開発を行います。また、ウイルスベクターに関してはバイオリアクターを用いた培養プロセス、カラム精製プロセス、治験薬の有効期限に関係する製剤処方等の開発を行います。

Plasmid DNA Preparation

試験法開発・品質管理

最先端の分析機器を用いたウイルスベクターやmRNAの試験法開発、プロセス開発における特性解析や安定性試験、GMP準拠の試験法開発におけるバリデーションまで対応します。さらには、プラスミドDNA、ウイルスベクター、製剤(最終製品)のGMP製造における品質試験、GMP準拠の安定試験を行います。

Viral Vector Preparation

Disclaimers

注意事項

  • 作製したベクターは研究⽬的でのみ使⽤可能であり、臨床⽬的や診断には使⽤できません。納品物を試験研究以外の目的でご使用される場合、納品物に起因する損失・損害等について、弊社では一切の責任を負いかねます。
  • 作製したベクターを商業目的で利用される場合はお問合せ下さい。ライセンス契約の締結が必要となる場合があります。
  • 遺伝⼦組換えウイルスは、関連法規(遺伝⼦組換え⽣物等の使⽤等の規制による⽣物の多様性の確保に関する法律、研究開発等に係る遺伝⼦組換え⽣物等の第⼆種使⽤等に当たって執るべき拡散防⽌措置等を定める省令等)および安全委員会(省庁およびご所属機関)の定める実験⽅針に従いご取り扱いください。